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   湿地と文化 

今回のテーマは「湿地と文化」である。湿地(wetland)と一言でいってもいろいろあるが、日本で一番身近な湿地は、やはり水田だろう。そのほか沼や湖も湿地だし、埋め立て問題で話題になる干潟なんかも湿地にあたる。また、北海道には日本最大の湿地、釧路湿原があることは、みなさんよくご存知でしょう。

湿地という土地柄は、古来より人間にとってあまり好ましいものとは考えられていなかった。湿気の多いジメジメした土地は、水はけが悪いし病原体が多く存在しているし、また見た目も何となくおどろおどろしいところがあって、どちらかいうと使い勝手の悪い忌み嫌われる土地だったのだ。今でも人間の居住地は水はけのよい高台に作られることからしてもそうだ。

ところが、科学の進歩と共に、実は湿地は見た目と異なり多様な機能をもち、動物のみならず人間の生活にも大変に有益なものであることがわかってきた。こうした事実は国際的にも認められており、湿地を保護する条約も存在している。また、日本の環境省も最近では国内の重要な湿地を500ヶ所選定して発表するなどしてその価値を認めている。

湿地は、生態系の中で思いのほか多様な役割を担っているが、特に国際的に重視されたのは、渡り鳥の中継地点としての役割であった。

というのも、渡り鳥は、一気に休みなく目的地へ渡っていくのではなく、その途中にある池や湖などの湿地で適宜一休みしながら、目的地に飛来する。なので、その途中にある湿地がなくなると、渡り鳥は休憩することができず目的地に渡れなくなってしまう。そこで、これを国際的に保全する必要性が唱えられたわけである。

具体的には、1971年に国際的に湿地を保全する条約が成立した。それは「ラムサ―ル条約」と通称されている条約である。イランのラムサ―ルという町で採択されたので、こう呼ばれている。この条約に加盟すると、その国は国内の湿地を保全しなければならない。日本もこれに加盟しており、しかも1993 年には釧路で国際会議が開かれている。

条約に加盟すると、国内の代表的な湿地を条約事務局に届け出なければならない。これを「登録湿地」という。日本には現在13ヶ所の登録湿地がある。これらに加えて、環境省は先ごろ、ラムサール条約の登録湿地の候補地をまとめた。その数は計54カ所に及び、さらに絞り込んで2005年11月にウガンダで開催される第9回締約国会議で登録を申請するそうだ。国内においてもラムサール条約は、今後ますます環境保全における役割を拡大してゆくことでしょう。





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